STORY
春の東北、マタギの伝統を受け継ぐ山間の町。高校を出て親の仕事を手伝う20歳の信行は、
この土地の閉鎖的な暮らしに嫌気が差しながらも、流されるままに日々を送っていた。
そんなある日、マタギ衆の寄り合いで、熊狩りを指揮する親方の下山が一同に意外な言葉を告げる。
「今年はどうも申請が通らねえみたいだ」。熊が減っていることを理由に、
役所から今年の熊狩りを禁止する通達が来たというのだ。
違反すれば密猟とみなされ、マタギとして生きる道を閉ざされてしまう。
皆が落胆しながらも決定を受け入れるなか、ただひとり、信行の兄貴分の礼二郎だけは、頑なに拒み続ける。
後日、礼二郎から呼び出された信行は、ふたりだけで熊狩りに挑む秘密の計画を打ち明けられ…。
安島薮太(漫画家 「クマ撃ちの女」作者)
若い猟師が無様で不格好にノタノタと、延々と続く木立の中を淡々と歩く。
そこにフワッと息を飲むような美しい風景が浮かび上がる。
名残惜しいが先に進む。
寒空の下獲物を待つ。ただ静かに待ち続ける。しんどく、退屈だ。
ある瞬間獲物が目前に現れる。
今までの退屈が嘘のように興奮が体にみなぎり始める。
この感じ…
「この映画は現実だ!」そう思いました。
生々しいにも程がある。